【コロナ渦で需要急増?】ネットリサーチのアレコレを解説
今回は「コロナ渦で需要急増?ネットリサーチのアレコレ」と題して、アンケート手法で最もポピュラーなネットリサーチを解説します。
ネットリサーチとは
ネットリサーチは、マーケティングリサーチ(市場調査)の代表的な調査手法の1つで、調査対象者(回答者)にインターネットを通して「アンケートサイト」にアクセスしてもらい、Web上で回答してもらう調査です。
アンケートサイトは沢山あり、最近は”ポイ活”が流行っていたりするのでモニター登録者数は伸びています。
因みに、アンケートサイトに登録している人を「会員」「モニター」などと呼びます。
日本のネットリサーチ市場は年々増加傾向にあり、日本の市場調査業界の市場規模は約2,000億円です。その中でネットリサーチが占める割合は3割程度で700億円ほどの規模があります。この傾向は微増傾向で、ネット環境が当たり前、進化し続ける以上はこの傾向は止まることのないトレンドだと思います。
ネットリサーチのメリット
さて、そんな代表手法のネットリサーチですが、どのようなメリットがあるのでしょうか?発注者側(企業・個人)、回答者(モニター・会員)の2つの視点で解説します。
<発注者側視点>
発注者にとってのメリットは大きく3つあります。
- 早い
- 安い
- 上手い
牛丼屋さんみたいですね笑
<1.早い>
従来の手法と比較してネットリサーチは納期までのスピードが早いです。
シンプルな調査の場合、発注した翌日にはある程度のデータが集まっています。これは他の手法では代替の効かない強みになります。よくある例ですが、メーカーの営業職の方は忙しく月曜日の会議でデータを求めれることが多いようです。その場合、木曜日にネットリサーチの発注を決め、金曜日にやり取りを行いアンケートを確定させます。すると、翌週の月曜日には数百~数千のデータが集まっているのです。
ある程度設計が複雑な調査でも、7~10間程度で求めるデータが集まると思います。
大昔、FAXを使って調査をしていたときとは何倍もスピードが違いますね。
<2.安い>
次のメリットはコストメリットがある点です。
セルフ型のアンケートならば1問1サンプル10円という低価格で提供しているリサーチ会社もあるため、1万円程度の費用でデータを取ることが出来ます。
もう少し大型の調査でも100万円前後で数千人からのデータを回収することが出来ます。SNS等でユーザーボイスが安価で収集できる世の中にはなりましたが、発注者側の目的や意向に沿ったデータを収集するには心もとないのも事実です。
<3.上手い>
3つ目は柔軟性や応用性、レアサンプルの確保が可能なことです。
例えば、レストランなどの机上に置いてあるお客様アンケート、スーパーやデパートにあるアンケート用紙など紙の媒体ですと多くても10問程度のボリュームの設問しか聞くことが出来ません。
一方、ネットリサーチは物理的に設問数の上限はなく20問でも30問でもアンケート設問を作ることが出来ます。(回答者の負担を考えると15問程度を推奨)
さらに、「Q1でAと回答した人はQ2、Bと回答した人はQ3に飛ばす」といったロジックも組むことが出来ます。今じゃ当たり前ですが、これも神やFAXアンケートではできない芸当です。
さらにレアサンプルの確保が可能です。例えば北海道から沖縄まで全国の住民にアンケートを取りたい場合、車いすや障がいで不自由がある方、妊婦さんやご高齢の方など、ネット環境にさえ接続ができればいつでも、自分のタイミングの良い時にアンケートに回答できます。
<回答者がの視点>
アンケートに回答する会員、モニターにとってもネットリサーチにはメリットがあります。一番のメリットは”手軽”であることです。スマホやタブレット、PCさえあれば隙間時間にアンケートに回答することができ、ポイントを貯めることが出来ます。(今に言う”ポイ活”ですが、実は20年以上前からある活動なんですね)
溜まったポイントはギフトカードやAmazonカード、楽天ポイントなどと交換ができるので、主婦や学生、忙しい会社員でも取り組めるプチ副業だったりします。
ネットリサーチのデメリット
一方、ネットリサーチにはデメリットもあります。
このデメリットを把握した上で調査を行うことが前提になります。
- ネット接続ができない人の声は聞けない
- モニターの質の担保が難しい
- パネルの数が小さいとレアサンプル抽出が難しい
まず1番は当たり前のことですが、ネットリサーチである以上、インターネットに接続する必要があります。2021年現在では、70代でも普通にスマホを使いネットサーフィンをしているので大丈夫ですが、それ以上の年代になるとアプローチが難しいのが実情です。そのため、80代のシニア層にアンケートを取るためにはネットリサーチは相性が非常に悪いのです。
2番と3番は重複するのですが、アンケートサイトに登録しているモニター・会員の質が低い場合、当然アンケートの結果も信頼性の低い誤差が大きい結果となります。アンケートサイトごとに会員の質を保つための施策をしているので疑問に思う方は聞いてみると良いと思います。
また、アンケートサイトによっては登録しているモニター・会員が少ないこともあります。登録者数が少ないと大規模調査で目標の数を回収しきれなかったり、条件が厳しい調査(例.鳥取県在住の20代既婚男性 等)でも回収しきれないことが多々あります。
どんな時に利用する手法なの?有パターン、無パターンの解説
では、ネットリサーチはどんな目的の時に、何を達成したくて使う手法なのでしょうか?ネットリサーチと相性が良い目的、悪い目的を解説します。
●ネットリサーチと相性がいい目的
調査目的が「仮説の検証」の場合、ネットリサーチをおススメします。検証には色々な属性(性別や年代など)を対象に一定のサンプル数(1属性100サンプル以上など)の回収が必要になるため、コストや納期までのスケジュールを逆算してもネットリサーチしかできないことが多かったりします。
他にも「傾向を把握する」「変化の推移を把握する」といった目的の場合でもネットリサーチは使えます。
例えば、「日本、アメリカ、イギリス、中国の4国の国民性を把握する」ことが目的の場合、日本人2000人にアンケートを行い日本人の国民性の傾向を把握します。同様に各国でもネットリサーチを行います。2000人×4か国、計8000人のデータを蓄積し、3ヶ月に一度同じ調査を行うことで変化の推移を把握することが出来ます。
●ネットリサーチと相性が悪い目的
一方、相性が悪いのは「機会発見・アイディア募集」などが目的の場合です。残念ながらこのような目的の場合、ネットリサーチだけで十分満足できる結果を得ることは難しいです。
人間は、その行動の9割が無意識ともいわれており、意識して行動しているのは1割以下との話があります。本来「機会発見・アイディア募集」を目的とする調査の場合、回答者の顔や身なり、話し方を観察し、インタビュアーの質問とその回答から発注者側がアイディアを練ります。(無意識を無理に聞かず、行間を読むのです)
回答者本人に新しいアイディアを聞いても、ありきたりな回答や発注者側でも想定している回答しか出てこないことが殆どです。
ネットリサーチは事前に発注者側の仮説や検証項目のもと調査票(アンケート票)が作られています。回答者はその限られた選択肢の中から回答を選ぶため、発注者側が想定しない意外な回答が出てこないのです。
ネットリサーチで有名な企業はどこ?
最後に、ネットリサーチを代行してくれる会社をいくつかご紹介します。
完璧に筆者の独断ですが、以下の企業はマーケティング専門の会社で、専門性の持ったスタッフが常駐しているので気楽に相談できると思っています。
本記事の冒頭でも述べたようなセルフ型のアンケートを提供している企業も上記には含まれており、非常にコストパフォーマンスも優れていると思います。
今回は以上になります。
最後までご覧頂きありがとうございました!